こんにちは!パーソナルトレーナーの高田です。
デスクワークが多い方の痛みの要因について前回から引き続きお伝えをしていきます。
前回までの記事はこちらをご覧ください。
今回は「呼吸」の観点から考えてお伝えをしていきます。
呼吸は一日におよそ2万回行われていると言われています。
そのため、普段どのような呼吸をしているかによって身体への蓄積が全く異なっていきます。
普段からデスクワークが多く、肩コリや腰痛などの身体の痛みを感じやすい方は良かったら是非ご覧になってみてください。
症状の改善のための何かしらの参考やヒントになれば幸いです。
1.呼吸の役割から考える
なぜ、呼吸が身体の痛みや不調に関係があるのか?
それは、呼吸の役割から考えるとわかりやすいかもしれません。
主な呼吸の役割は、脳や身体全体に酸素を供給することなります。
呼吸をしなければ死んでしまいますから、当たり前と言えば当たり前ですね。
呼吸が止まらないまでも、上手く呼吸ができていない。
本来あるべき呼吸が行われていない場合は、どうなのか?
この後に詳しくお伝えをしますが、ここで言う本来あるべき呼吸が行われていないというのはデスクワークのときに「呼吸が浅い」「口呼吸をしている」などとイメージしていただければと思います。
呼吸の役割は脳や身体に酸素を送ることになりますので、本来あるべき呼吸が行われていない場合は脳や身体への酸素の供給が悪くなってしまいます。
その結果
・脳の働きが低下
・身体の緊張が強くなる
・身体の制御能力が低下
ということに繋がると考えられます。
詳しい理由は今回割愛しますが、症状の例としては
・肩コリや腰痛などの身体の痛み
・疲れやすい、疲れが抜けない
・睡眠の質の低下
・集中力の低下
・イライラなどの精神症状
などの症状に繋がってくる恐れがあります。
2.呼吸が上手くできていない方の特徴
あくまでも安静時においてですが、呼吸が上手くできていない方の特徴は以下の通りです。
・口呼吸をしている
・安静時にも呼吸の音が聞こえる
・ため息やあくびをよくする
・呼吸が一定のリズムで行われていない
・呼吸のときに上胸だけが動く、お腹をつっぱねてる
などが挙げられます。
3.本来あるべき呼吸とは…
先ほどから言っている本来あるべき呼吸とは…
一言でいえば「その状況に合わせた呼吸」と言えます。
なんだか曖昧ですね…笑
「状況」「目的」などによって、それぞれに見合った適切な呼吸は変わってくるはずです。
なので、一概にどんな呼吸が「良い」「悪い」といっているわけではありません。
例えば、デスクワークなどの安静時においては「浅い呼吸」「口呼吸」は適切といえるでしょうか?
反対に待ち合わせに遅刻しそうなときの運動時では「浅い呼吸」「口呼吸」は適切でしょうか?
極端な例ですみません…笑
この例でいうと、安静時では「浅い呼吸」「口呼吸」はあまり良いとは言えず、反対に運動時は酸素を多く取り込みたいわけなので「浅い呼吸」「口呼吸」はすることは問題ないと言えます。
勝手な解釈になりますが、このように呼吸はその時々で変わりますので「状況」「目的」に見合った呼吸が本来あるべき呼吸であり、反対に見合っていない場合は本来あるべき呼吸ではないといえます。
そして、見合った呼吸ではない場合では冒頭で挙げた身体の痛みや不調に繋がりやすくなってしまいます。
4.現代人は呼吸が浅い
ここからが本題です。(前置きが長くてすみません…)
では今回のタイトルであります、デスクワークなどの安静時において考えてみましょう。
この前のカテゴリでも触れましたが、安静時において「口呼吸であったり」「呼吸が浅い」といった場合は身体にとっては負担となってしまいます。
でも気がつくと口呼吸だったり、呼吸が浅くなっていたりしますよね。
現代人は、様々な理由によって呼吸が浅くなりがちな傾向といえます。
詳しいことは割愛しますが、呼吸が浅くなってしまう根本的な理由としては以下の通りです。
・長時間のデスクワーク
・強いストレス
・生活習慣の乱れ
・運動不足
・栄養の偏り
などが挙げられます。
これの影響によって口呼吸になりやすくなったり、呼吸が浅くなると言えます。
なんとなく身体に良くないというイメージはあるかもしれませんが、そもそもなぜ口呼吸や浅い呼吸がいけないのか?
5.呼吸が浅いことによる問題とは
口呼吸や呼吸が浅いことによる問題を一言で言えば、酸素を多く取り込もうとし過ぎているということです。
口呼吸にしても呼吸が浅いこと、どちらも酸素を身体に多く取り込もうとします。
鼻呼吸に比べて、口呼吸の方が酸素の取り込みが多い
呼吸が浅い=呼吸の頻度が多いため酸素の取り込みが多い
一見すると、この理由では良いことではないかと思われるかもしれませんが、実はかえって身体には悪影響を与えることにもなります。
一番はじめにお伝えしている内容と矛盾しているように思えますが、呼吸が浅いなどによって酸素を多く取り込もうとすると以下のような問題が出てきます。
①身体に酸素が行き渡りづらくなる
②姿勢の乱れ
③自律神経の乱れ
など
では、それぞれの問題について解説していきます。
①身体に酸素が行き渡りづらくなる
酸素とヘモグロビン(赤血球)は、体内でくっついた状態で存在しています。
ヘモグロビンは酸素を身体全体に運搬する役割になるのですが、このくっついた状態のままでは酸素は身体に送り届けられません。
そこで出てくるのが、二酸化炭素です。
酸素とヘモグロビンを引き離すには、実は二酸化炭素が必要になります。
つまり、体内の酸素が多過ぎる。二酸化炭素が少な過ぎてしまうことはかえって身体に酸素が上手く送り届けられなくなってしまうということです。
そのため、体内では酸素と二酸化炭素の適正なバランスが必要とされますので酸素が多過ぎてもいけませんし、少な過ぎても良くはありません。
呼吸が浅い(呼吸の頻度が多い)、口呼吸
⬇︎
・体内の酸素が多くなりすぎる
・二酸化炭素が少なくなりすぎる
ということになり、矛盾するようですが体内の酸素量が多くなればなるほど脳や身体は酸素が不足するということになります。
酸素が不足して、酸欠(血液循環が悪くなる)になると筋肉の圧が高くなってしまい筋肉の伸び縮みがしづらくなり、筋肉が適切に動きづらくなってしまいます。
そうすると、脳が痛みなどといったシグナルを出します。
そのほかに、感覚が敏感になるために身体に触れるとくすぐったがるということも同様になります。
そのほかに筋肉の圧が高くなる原因としては
・水分不足
・同じ姿勢の維持や同じ動作を繰り返し行う
などが挙げられます。
②姿勢の乱れ
上記のように呼吸に合わせて、肋骨は動きます。
息を吸う:肋骨が開く
息を吐く:肋骨が閉じる
この関係性から考えると呼吸が浅い場合、肋骨の動きおよび位置はどうでしょうか?
呼吸が浅い方の特徴としてはすぐに息を吸いたくなるがために息を吸う時間が長く、息を吐く時間が短いです。
つまり、息を吐く時間が短いことによって適切な位置まで肋骨が閉じる前に息を吸うことでまたすぐに肋骨が開くということになります。
人は一日におよそ2万回呼吸をすると言われています。
2万回、この浅い呼吸が積み重なれば肋骨は常にパカっと開いた状態になりやすくなってしまいます。
結果的に肋骨が過度に開く(前方、上方向)ことによって、腰が反ってしまい上体が上に意識がいきやすくなるために肩もすくめるような姿勢になってしまいます。
③自律神経の乱れ
呼吸は自律神経にも大きな影響を及ぼします。
現代人は呼吸が浅いことなどによって、交感神経が高まりやすい傾向です。
交感神経が高まることにより、イライラなどの精神症状にも繋がりやすくなります。
また、交感神経が高まることで呼吸数も多くなることにも繋がることから負の連鎖に陥りやすくなります。
6.鼻呼吸と口呼吸について
鼻呼吸と口呼吸の違いは、こちらの通りです。
基本的に口呼吸にはメリットはなく、免疫力の低下や姿勢の乱れのリスクが高まります。
7.呼吸を整えるエクササイズ
・両腕を前に伸ばして背中を丸めて呼吸。
・鼻から5秒で吸って、口からゆっくり10秒で吐く。その状態で5秒止める。
・また鼻から5秒で吸って、口からゆっくり10秒で吐く。
この流れを繰り返し5回×2〜3セットほど行う。
※息を吸う時は、ベロは口の中の天井に張り付けておく。
口から吐くときは「ハー」と細長く吐く。
実際にやっていただけるとツライと思いますので、秒数などは無理のない範囲で調整してチャレンジしてみてください。
8.まとめ
・呼吸は一日におよそ2万回行われている。
そのため、普段どのような呼吸をしているかによって身体への蓄積が異なる。
・呼吸が上手くできていない方の特徴。(あくまでも安静時において)
口呼吸をしている
安静時にも呼吸の音が聞こえる
ため息やあくびをよくする
呼吸が一定のリズムで行われていない
呼吸のときに上胸だけが動く、お腹をつっぱねてる
・現代人は呼吸が浅くなりがち。呼吸が浅くなってしまう根本的な理由。
長時間のデスクワーク
強いストレス
生活習慣の乱れ
運動不足
栄養の偏り
・呼吸が浅くなる、乱れることでの身体への影響。
脳の働きが低下
身体の緊張が強くなる
身体の制御能力が低下
具体的な症状としては
肩コリや腰痛などの身体の痛み
疲れやすい、疲れが抜けない
睡眠の質の低下
集中力の低下
イライラなどの精神症状
・鼻呼吸と口呼吸の違い。
鼻呼吸:免疫力低下を防ぐ、姿勢の乱れを防ぐ
口呼吸:免疫力低下に繋がる恐れ、姿勢の乱れに繋がる恐れ
安静時において基本的に口呼吸デメリットしかない。
少し長ったるい内容でわかりづらかったかもしれませんが、何かしらご参考になれば幸いです。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました!
それでは!
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